大雨が近づいてきたとき、「とりあえず見ておこう」とハザードマップを開いても、どこを見ればいいか分からなくて閉じてしまった、という経験がある方は多いと思います。色の意味が分からない、種類が多すぎる、自分の家がどのあたりかよく見えない。そういう迷いが重なると、せっかく開いても使えないまま終わってしまいます。
地域情報メディア『ズクダ須坂』のエリア担当ライター、ノブです。わたし自身も最初はそうでした。地図を見てはいるけれど、自分の暮らしに引き寄せて読む前に疲れてしまう。そこで今回は、須坂市のハザードマップを暮らしの中でどう使えばいいか、整理してみました。
洪水・土砂災害・浸水想定区域の違い、色分けの読み方、自宅だけでなく通勤や通学で使う道をどう見るか、更新の確認方法まで、順番に見ていきます。
須坂市の地図は種類が複数ある
まず知っておきたいのは、須坂市が公開しているハザードマップは一種類ではないということです。市の公式サイトには、洪水・土砂災害マップのほかに、地震防災マップ、ため池ハザードマップ、車での避難用マップなどが別々に公開されています。
一番使う機会が多いのは「洪水・土砂災害ハザードマップ」です。2025年3月に改訂されたものが現時点での最新版。千曲川・松川・八木沢川・百々川・鮎川の5河川についての浸水想定と、土砂災害危険区域が一枚に表示されています。
最初に確認したい場所と開き方
地図を開いたら、まず自分の家の場所を探します。ここで少し面倒に感じる方もいると思います。わたしも最初、縮尺が細かくて自分の町がどこか分からず、一度閉じてしまいました。場所が分かりにくいだけで後回しにしてしまう感覚、分かる気がします。
スムーズに確認するなら、市公式サイトのPDFよりも「須坂マップ(公開型GIS)」が使いやすいです。住所や地名で検索でき、浸水想定区域や土砂災害警戒区域を重ねて表示できます。スマートフォンからでも操作できるので、一度試してみる価値があります。
洪水の地図と土砂災害の地図の読み方の違い
洪水と土砂災害は、同じ一枚の地図に載っていますが、表している内容はまったく別のものです。混在しているぶん、見慣れていないと「どれがどれか」迷いやすいところ。
- 洪水(浸水想定区域)
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河川がはん濫した場合に浸水が想定される範囲と深さを色で表示。深さによって色が段階的に変わります。
- 土砂災害(警戒区域)
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土砂が流れ込む可能性のある区域を示します。イエローゾーン(警戒区域)とレッドゾーン(特別警戒区域)の2段階。
自宅が浸水想定区域に含まれていても、土砂災害警戒区域には含まれないこともあります。逆のケースもあります。どちらに該当するかで、避難のタイミングや経路の考え方が変わるので、ひとつずつ確認するほうが確実です。
色分けで迷いやすい場所と見方
洪水の浸水想定区域は、浸水の深さに応じて色が段階的に変わります。薄い青から濃い青へ、さらに紫がかった色へと深くなるほど色が濃くなるのが一般的な表示です。
迷いやすいのが、「色がついていない=安全」とは限らない点です。市も「マップに示した区域以外でも、場合によっては浸水することがある」と注記しています。色がない場所を安心の根拠にしてしまうのが、よくある見落としのひとつ。
土砂災害のレッドゾーン(特別警戒区域)は、建物が大きく損壊するレベルの被害が想定される場所です。そのゾーン内にある場合は、早めに避難することが前提になります。
自宅だけでなく生活の道も見ておく理由
ハザードマップは、自宅の場所だけ確認して終わりにしがちです。でも、大雨や台風のときに動くのは自宅の中だけではありません。子どもが通学で使う道、自分が毎朝通る通勤路、近くのスーパーへ行く道。避難や外出の判断が必要になるのは、動いているときも多いです。
特に、橋の近くや河川沿いの道は、増水時に通行止めや冠水が起きやすい場所です。普段何気なく通っている道が、どのあたりの浸水想定区域に入っているか、一度だけでも確認しておくと安心できます。
避難所の場所だけで終わらせない見方
地図を見て「避難所がどこにあるか」を確認して終わる方も多いと思います。ただ、避難所には種類があります。
- 指定緊急避難場所:まず命を守るために逃げる場所
- 指定避難所:災害後に生活する場所(原則別)
- 開設状況は災害ごとに変わる
同じ施設が両方に指定されている場合もありますが、「どの災害のときに開く避難所か」は災害の種類によって異なります。大雨のときと地震のときでは、使える施設が変わることもあります。須坂市公式の指定緊急避難場所・指定避難所一覧と地図を合わせて確認してみてください。
地図の更新と想定条件の見方
須坂市の洪水・土砂災害ハザードマップは、2025年3月に改訂されています。以前の版と見比べると、浸水想定の範囲や深さが変わっている場所もあります。手元に古いチラシがある方は、最新版かどうか発行年を確認しておく価値があります。
また、ハザードマップの浸水想定は「この条件でこの河川がはん濫した場合」という前提で作られています。複数の河川が同時にはん濫する場面や、下水道があふれる内水氾濫は、別途確認が必要なケースです。
ノブ地図の発行年、さっと確認してみるといいですよ
住まい探しのときに見ておきたい場所
引っ越し先を検討するとき、ハザードマップは候補地の災害リスクを確認するための参考になります。ただ、地図だけで「安全か危険か」を断定しないことが大事です。色がついていない場所でも、周辺の地形や排水の状況によってリスクが変わることがあります。
わたしが住む場所を選ぶとしたら、まず自宅候補地の浸水想定と土砂災害区域を確認して、次に最寄りの避難所までの経路を歩いて確認する。この順番のほうが自分には合っています。
公式情報はどこで確認できるか
須坂市の公式情報は、市ホームページの「ハザードマップ・避難所」ページにまとまっています。洪水・土砂災害マップ(PDFで表・裏の2枚)と、地震防災マップ、ため池ハザードマップが別々にあります。
- 須坂市公式:「ハザードマップ・避難所」ページ
- 須坂マップ(ArcGIS公開型GIS)
- 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
複数の地図を重ねて見たいときは、国土交通省のハザードマップポータルサイトも便利です。更新日や想定条件は、必ず各ページで確認してください。情報は変わることがあります。
よくある見落としと失敗しやすい場面
ハザードマップを確認する際に、経験上よく見かける失敗がいくつかあります。
印刷した紙の地図を長年使っている場合、最新版と浸水範囲が変わっていることがあります。
職場、通学路、よく通る橋の周辺など、動く場所も含めて確認するほうが安心できます。
浸水色がついていない場所でも、地形や排水状況によって浸水することがあります。
同じ地図に載っていますが、性質が違います。どちらに該当するか別々に確認が必要です。
地図が向かないケースと注意しておきたいこと
ハザードマップはあくまで「想定」に基づいた地図です。実際の雨の強さや降り方、地盤の状態によって、想定とは異なる場所で浸水が起きることもあります。地図の色だけを根拠に避難するかどうかを決めるのは難しいことも多いです。
個別の避難判断は、地図の色だけでなく、気象情報や市が発令する避難情報を合わせて確認することが前提になります。地図はあくまで「事前に知っておくための道具」として使うほうが、実際の場面で迷いにくいと感じています。
| 確認に向いている場面 | 地図だけでは判断できない場面 |
|---|---|
| 自宅・職場・通学路の事前確認 | 実際の避難タイミングの判断 |
| 引っ越し先の候補地のリスク把握 | 複数河川が同時にはん濫する場合 |
| 避難経路の大まかな把握 | 内水氾濫(下水道あふれ)の想定 |
今日、ひとつだけ確認するとしたら
ハザードマップは、一度に全部理解しようとすると疲れます。今日やるとしたら、まず自分の家の場所を地図で探して、浸水想定の色がついているかどうかだけ確認してみてください。それだけでも、次に見るときの手がかりになります。
わたし自身も、子どもの通学路がどの区域に入っているか確認したとき、何となく気になっていた川沿いの道が浸水想定区域に含まれていて、少し迷いが消えた気がしています。全部分かったわけではなくても、一か所確認できると、次が動きやすくなるんですよね。
週末、地図を開いて自分の家の場所を探してみるところから始めてみてくださいね。紙の地図でもスマートフォンでも、まず一か所。その小さな確認が、いざというときの気持ちの余裕につながったらうれしいです。













