須坂市のハザードマップは「地図を見れば安全かどうか分かる」というものではありません。洪水と土砂災害では確認する場所が違いますし、避難所の場所だけ確認して終わりにすると、いざというときに動けないことがあります。
地域情報メディア『ズクダ須坂』でエリアを担当しているノブです。須坂市に住んでいると、川沿いの道や山裾の集落が身近にある分、地形と災害リスクのつながりが気になるんですよね。この記事では、公式ハザードマップの見方から、避難経路の考え方、日常の備えへの落とし込み方まで順番に整理します。
なお、浸水範囲や土砂災害警戒区域、避難所の情報は制度改定や調査更新で変わることがあります。最終確認は須坂市の公式サイトや窓口で行ってください。
ハザードマップをまず開く前に知っておきたいこと
須坂市が公開している洪水・土砂災害ハザードマップは、2025年3月に改訂されたものが最新です。千曲川河川事務所と長野県が作成した浸水想定区域図と土砂災害危険区域図をもとに作られています。
地図一枚で「洪水のリスク」と「土砂災害のリスク」の両方が重ねて表示されています。見慣れないうちは情報が多く感じますが、まず「自分の家はどのエリアに入っているか」だけを確認するところから始めると動きやすいです。
須坂市の洪水リスクに関係する河川
須坂市内を流れる河川のうち、ハザードマップで浸水想定が示されているのは千曲川、松川、八木沢川、百々川、鮎川の5河川です。奈良川と仙仁川については長野県が別途浸水想定区域図を公表しています。
市の東側を流れる千曲川は流域が広く、上流の降雨の影響も受けます。松川や百々川は市内の住宅地に比較的近いところを流れているため、川の近くに住んでいる方は自宅がどの河川の浸水想定区域に入るかを個別に確認する価値があります。
洪水と土砂災害のリスクは別物として見る
迷いやすいのが、地図上で洪水の色と土砂災害の色が重なって表示されている部分です。同じ地点でも、洪水のリスクがある場所と土砂災害のリスクがある場所は発生のしくみが異なります。
- 洪水リスク
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河川が増水してあふれることで、低い土地が浸水するリスク。
- 土砂災害リスク
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斜面の土砂が崩れたり流れたりすることで建物や人に被害が及ぶリスク。
須坂市は北側から西側にかけて山地が広がり、市街地の南東部は比較的平坦な地形です。山裾や谷沿いに近い地区では土砂災害のリスクが高い場所があります。
色分けの見方で何が変わるか
洪水の浸水想定区域では、色が濃いほど想定される浸水の深さが増します。たとえば「0.5m未満」と「3m以上」では、同じ色の区域内でも体感リスクが全然違う。数字で見ることが大事です。
土砂災害については「土砂災害警戒区域」と「土砂災害特別警戒区域」の二段階があります。須坂市内には33か所の土砂災害警戒区域が指定されています(2026年5月時点、公式情報をもとに確認)。特別警戒区域はより危険度が高い区域で、建築規制の対象にもなります。
川沿いと斜面では気にしたい点が違う
川沿いの低地では、大雨のときに水が来るまでの時間が比較的短いことがあります。松川や百々川に近い住宅地では、避難のタイミングを「川の状況を見てから」ではなく「警戒レベルが上がった時点で動く」と決めておくほうが安心です。
一方、斜面や谷沿いでは土砂災害の兆候が分かりにくいことがあります。わたしも地図を見ていて、市街地の端から少し入った場所に警戒区域が思ったより多く指定されていることに気づいて、一度立ち止まりました。
避難所だけでなく避難経路も確認する理由
須坂市では、「指定緊急避難場所」と「指定避難所」が区分されています。緊急避難場所は命を守るために一時的に逃げる場所、指定避難所は被災後に生活を続けるための施設です。
見落としやすいのが、「避難所の場所は知っているが、そこへ行く経路が浸水区域を通る」というケースです。経路が水に浸かる可能性があるなら、別ルートを事前に確認しておく必要があります。地図を開いて避難所の場所を確認したら、そこまでの道も一緒に見ておくことをわたしは意識しています。
ノブ経路が浸水区域を通るなら、別ルートを先に確認しておくと楽です
引っ越し前に地図と重ねて見たい情報
住み替えを検討する場合、ハザードマップ一枚だけで判断するのは少し心もとない気がしています。地形の高低、過去の浸水実績、土砂災害警戒区域の有無を重ねて見ると、より具体的な状況がつかみやすくなります。
- 須坂市の洪水・土砂災害ハザードマップ
- 国土地理院の地形分類図(低地・台地など)
- 長野県の土砂災害警戒区域マップ
- ハザードマップポータルサイト(国土交通省)
これらを合わせて見ることで、「洪水リスクは低いが斜面に近い」「平坦で洪水のリスクはあるが土砂は少ない」といった場所ごとの違いが見えてきます。
ハザードマップを日常の備えにつなげる見方
地図を一度確認して終わりにするより、「この雨量で自分の家はどうなるか」を季節ごとに思い出す機会があると、いざというときの動きが変わります。たとえば梅雨や台風の前に、警戒レベルと自分の避難行動の対応を確認しておくのは無理がありません。
須坂市の公式ハザードマップを開き、自宅が洪水・土砂災害のどちらの区域に入るかを確認する。
指定緊急避難場所の位置と、そこまでの経路が浸水区域を通らないかを確認する。
警戒レベルが上がったときに何をするかを、家族と一緒に話し合っておく。
ハザードマップに載っていない場所の考え方
「色が付いていない場所だから安全」とはいえません。須坂市の公式マップにも「区域以外のところも、場合によっては浸水することがある」と明記されています。
想定を超える降雨や、複数の河川が同時に増水した場合は、通常の浸水想定区域の外にも影響が出ることがあります。ハザードマップは「ここまでは絶対安全」という保証ではなく、リスクの目安として使うもの。
よくある見落としと確認のタイミング
よく聞くのが「避難所の名前は知っているが、どの災害種別に対応しているか知らなかった」というケースです。須坂市の指定緊急避難場所は洪水・土砂災害など災害の種類ごとに適応する場所が異なります。洪水時に指定されている場所が、土砂災害時には別の場所になることもあります。
もう一つは、「古いマップを見ていた」パターン。須坂市のハザードマップは2025年3月に改訂されています。古い版を手元に持っている場合は、市の公式サイトで最新版を確認してください。
須坂市の公式情報にアクセスする方法
須坂市の公式ハザードマップは、市の公式ウェブサイト「須坂市洪水・土砂災害ハザードマップ」のページからPDFで入手できます。また、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」では複数のリスクを重ねて画面上で確認することができます。
紙のマップが必要な場合は、須坂市役所の窓口で入手できます。避難経路の確認など具体的な相談は、市の防災担当窓口に問い合わせると一緒に確認してもらいやすいです。最新情報は必ず公式で確認することを前提に使ってください。
地図を開く一歩が、暮らしの安心につながる
まずは今週末、須坂市の公式ハザードマップを開いて、自宅の場所に指を当てるところから始めてみてください。全部を理解しなくてもいい。「自分の家はどの色の区域にあるか」「最寄りの避難場所はどこか」の2点だけでも確認できれば、十分な一歩だと思っています。
わたしも最初はマップの色の意味がよく分からなくて、ざっと見て終わりにしていました。でも避難経路を実際に地図の上でなぞってみたとき、「ここ、川を渡るじゃないか」と気づいて少し焦ったことがあります。地図を見るだけじゃなく、経路まで確認して初めて使える情報になる。そう感じています。
引っ越しを考えている方も、今の家で備えを固めたい方も、まず地図を開いて自分の場所を確認してみてください。それが一番シンプルで、続けやすい防災の入り口だと思いますよ。













